兄の経営する回漕店と対立する悪徳海運会社の卑劣な暴挙に挑戦する、商船学校生徒の情熱を描く痛快アクション巨篇。
色とりどりの船を浮かべて輝いている横浜港――。秀男は商船大学の休暇で、久しぶりに実家の桂木回漕店に帰って来たが、港に新興の谷海運が進出して以来、桂木回漕店には暗雲が漂っていた。父亡きあと店を継いでいる兄の進一は、秀男には何も言わなかったが、谷海運はヤクザを使って暴力で桂木回漕店の仕事を邪魔しているらしい。昨日も店員が何者かに襲われて重傷を負った。その犯人は谷海運のヤクザだという噂だった…。その夜、秀男は親友のトランぺッター杉本をクラブ“ブルービーチ”にたずねたが、その裏の暗がりで令嬢風の娘が一人の男に襲われているのをみて助けようとしたところ、突然、数人のチンピラが出てきて、男が袋叩きにあってしまった。娘はチンピラのトニーと組んで、色仕掛けで男から金を奪おうとしたのだった。秀男がチンピラどもを殴り倒すと、娘は敵意に燃えた目で秀雄を睨んだ。秀男と杉本が久しぶりの再会を喜んでいると、愚連隊の五郎が数人の仲間を連れて杉本に襲い掛かり、杉本の右手にナイフを突き刺して逃走した。五郎は、秀男が数年前“シー・ホーク”と呼ばれてチンピラのボスだった頃の仲間だったが、昨夜杉本を悪事に誘おうとして殴られたのを逆恨みして仕返しに来たのだ…。