歌う暴れん坊
うたうあばれんぼう

建設会社の若社長に扮したアキラが、大学時代の仲間とタッグを組んで街の平和を取り戻す痛快娯楽アクション大作!

ここ弁天町は昔から二つのやくざ組織が対立していた。一つは父の代限りでやくざから足を洗った巽建設の大介を社長とした巽組。一つはそのままに昔流のやくざ組織を続けている鉄治を頭とした駒形組である。大介と鉄治は小学校から大学まで一緒に歩んできた親友同士の間柄だったが、こと一家のことに関してはいつもいがみ合っていた。今日も近在の親分衆を集めて、大介と鉄治には親代わりともいえる榎本が音頭を取り、巽組と駒形組の仲直りの手打ち式が開かれていたが、大介が「弁天町にはやくざはいらねえんだ」と啖呵を切ったことから、逆に鉄治との反目を強めてしまった。というのも、いまや弁天町には巽建設が工事を請け負う高速道路が開通間近とあって、やくざ仲間では格好の縄張りで鉄治もそれを強く望んでいたからである。折も折、弁天町警察署には新任の次席警視・堅野信三が赴任してきた。堅野は大介、鉄治と城南大学ラグビー部で鳴らした無二の親友だった。大介、鉄治との再会を喜んだ堅野だったが、赴任早々、管轄内で立て続けに麻薬絡みの事件が起こり、麻薬を流しているのが大介の身内の者だとの情報を得て大介に疑いの目を向けた。大介には身に覚えのないことであったが、それよりも高速道路の建設で立ち退きを迫られている児童養護施設「天使の家」の移転先に頭を悩ませているのだった。

日本
製作:日活 配給:日活
1962
1962/12/26
イーストマンカラー/8巻/2440m/90分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】調布市(調布市中央公民館=弁天町公会堂、日活撮影所本館玄関=新日本テレビ玄関、撮影所近くのグランド=ラグビー場面)