悪の国際シンジケートから派遣されたエースのジョーが、単身地方都市の二大勢力に撲り込みをかける超ハードボイルドタッチの痛快アクション。
「俺には相棒はいない、信頼出来るのは、このコルト45口径の冷たい銃口だけだ」……。人に冷酷非情といわれながら着実に仕事を片付ける男木崎は、七日前に仲間の岩沢が殺された新潟へ飛んだ。駅から岩沢の相棒だった戸部のもとに直行した木崎は早速この街の状況を聞き、同時に戸部が撮った写真で大和田組と川島組の幹部クラスの顔を頭に焼き込んだ。ボスの大和田、彼の顧問長谷川、大和田の配下の哲、死人(おろく)の勘、中川、半年前から勢力を伸ばしだした青年ヤクザ川島と用心棒の利根、誰にも心を許さないという歌手のサリー……どいつもこいつも臭いやつばかりだ。“この中から岩沢を消し、ブツを奪った奴を捜し出し、こってり熱い鉛をご馳走する”ひとり呟いた木崎は岩沢が泊まっていたホテルの同じ部屋に泊まることにした。その夜、宝石商が岩沢に頼まれたといって真珠のネックレスを持ってきた。木崎の調べで贈る相手がサリーだということはすぐにわかったが、彼女はシラを切るのだった…。