俺に賭けた奴ら
おれにかけたやつら

チャンピオンに挑むボクサーと彼に賭けた周囲の人たちのドラマ。『百万弗を叩き出せ』に続く鈴木清順監督&和田浩治主演のボクシングもので、後に清順美学と呼ばれることになる独特の色彩感覚が炸裂。

湧き上がる歓声の中、四角いリングの上でチャンピオンベルトを身に付けた藤倉清次の胸に、数々の想い出が走馬灯のように去来した。二年前、清次は竹井電機店の住み込み店員だった。ある日清次はそこの一人娘・洋子と連れ立って東洋フェザー級タイトルマッチを見に行った。清次の心にはその日からチャンピオンの夢が芽生えた。栄光ジムの門を叩いた清次は、昼は電機店の仕事、夜はジム通いをしながら、天性の素質と負けず嫌いな性格でめきめきと腕を上げていった。ある夜、初めての四回戦にKO勝ちを収めた清次はみんなから祝福を受けていたが、そこに現れた健太郎というヤクザっぽい男が妙に心に残って仕方がなかった。ある日、清次はナイトクラブに勤める北沢早苗という女と知り合いになる。早苗は豪華なアパートに住んでいて清次に援助を申し出るのだった。そんなある夜、遅い時間にジムに行った清次は東会長の奥さん・奈々子がトレーナーの川村と不倫関係にあることを知ってしまう。清次は自分が裏切られたように怒ったが、清次が奈々子を襲ったように東会長に誤解されてしまうのだった。世の中が信じられなくなった清次は早苗のアパートに足を運ぶようになっていく。ボクサーに女は禁物。清次は自分から試合を放棄するようになり、栄光ジムを辞める羽目になり…。

日本 製作:日活
日活
1962
1962/12/9
カラー/90分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2466m
日活
【東京都】文京区(後楽園)/港区(外苑)