機動捜査班シリーズ第11弾。暴力奸智を武器に無法の街の独裁を企む男を追求する機動捜査班の活躍を描く。
深夜の埋立地に突如起こった激しい拳銃の乱射音…。付近をパトロール中の警視十三号は直ちに現場へ急行したが、一個の死体を残してすべて逃走した後だった。殺された男は新興勢力戸辺組の組長で心臓に喰った一弾が致命傷となっていた。捜査四課では伊藤部長刑事を中心に早速捜査会議が開かれた。その結果、かねてより反目し合っていた坂巻組の幹部山口と木村が捜査線上に浮かびあがった。二人を尋問しているところへ何者からか密告の電話があった。犯人は戸辺組の幹部岡田だというのだ。その後、坂巻のマンションの一窒で坂巻、山口、木村の三人を前に、岡田が戸辺組の権利書類を差し出していた。四人が固く握手を交わしているところへ戸辺組のキャバレーで会計係をしている、今度の陰謀を企てた伴がやってきた。伴は酒を運んできた坂巻の情婦美枝にいち早く目をつけたばかりでなく、山口や木村を出し抜いて坂巻の秘書におさまってしまった。