世界タイトル奪取の夢を託したボクサーと婚約者を一瞬にして奪われた若きトレーナーの執念を描く異色のアクション篇
待望の世界タイトルへの前哨戦ともいうべき試合は、清の強烈なパンチのラッシュによって宿敵竹村がマットに沈んだ。清のトレーナー雄志は元全日本バンタム級のチャンピオンだったが、トレーニング中腕の神経を切ったために選手生活を断念し、自分の夢である世界タイトル奪取を清に託していた。試合が終わってジムで祝賀会の準備をする雄志と婚約者の恵子は、清の勝利を喜び合った。その頃、清は公会堂の裏手で5、6人の男たちに囲まれていた。「清、てめえ何故勝った?!」約束が違うとばかりに清を殴打し、探しに来た恵子もろとも銃弾を浴びせ、あたかも心中と見せかけてほてるの一室で殺してしまった。世界タイトルを目前にした選手と婚約者を一瞬にして失った雄志の驚きは、ヤケ酒をあおるうちに烈しい憤りに変わっていった…。