ポンポン、ポンポン、エンジンあげて、ポンコツおやじとムツゴロウのコンビは、今日も水上白タク「ポンコツ丸」でノンビリ川を行き来していた。そんなある日、橋の下を通ろうとしたその時、うら若い女とジンジロウが空から降ってきた。時は流れて数日後、船着場で客引きしている二人のところに、ムツゴロウの契約恋人のチラリが飛んできた。「大変、大変よ!」「何だい、大変って」――ポンコツ、ムツゴロウの二人が住んでいる電車バラックに帰ってみると、コッペ婆さんが馬面の男とやりあっていた。先祖伝来、守ってきた土地がオリンピック道路建設のため、立ち退きを迫られているのだ。「おい、何しにきやがった。俺たちは意地でも立ち退かないぞ」。さらに数日後、先日、川に飛び込んだ女・咲江もポンコツの素早い救助で元気になって退院してきた。よくよく話を聞くと、奉公先の奥様、お嬢様、飼犬のリルとデパートへ買い物に行ったときリルが何処かへ雲隠れ、それで無垢の操をドブ川に落とす哀れな物語となったのだと…。ポンコツは立ち上がった。