星の瞳をもつ男
ほしのひとみをもつおとこ

三万を超える応募作品の中から選んだ“高橋英樹の歌”をテーマに歌と慕情と鉄拳で描く颯爽のムード・アクション大作。

榊英司が刑務所を出て2年ぶりに下町の我が家に帰ってきたとき、父はすでに亡くなり、貧しい家には老いた母親が一人で英司を待っていた。弟の光郎は人気歌手になり、家にはあまり寄りつかない。母親、そして自分のため再出発を心に誓った英司は、翌日、冴子に再会した。涙を流さんばかりに喜んだ冴子は、以前のように彼女の家で働くことを望んだ。冴子の父・剛太郎はオートバイの新型を研究製造していて、英司はその工場のテスト・ドライバーとして働いていた。あの悪夢のような事件が起きるまでは―。2年前、弟の光郎は悪に染まりかけていた。英司は弟と手を切らせようと悪い仲間たちと会った際、誤って傷害事件を起こし刑務所に送られたのだった。それを知っているのは冴子父娘だけで、なにかの拍子に光郎に知られることを恐れていた彼は工場に戻りたくなかったのだが、父娘の熱意にこたえ、再びテスト・ドライバーとして働く決心をした。ある日、テスト・ドライブにでかけた海岸で、英司と冴子は偶然にも光郎と会った。海浜ホテルでステージに立っていたという光郎は、刑務所帰りの兄とは、口をきくのも人気にひびくとでもいうように、その場を去った。2、3日後、光郎のマネージャー種村礼吉が訪ねてきた。種村は光郎の才能を見出し人気歌手に育てた男だが、マネージャーとして定評のある香山千沙に光郎が乗りかえ、クビにされたという。同情した英司は、考え直すよう光郎に悟したが反抗され、仕方なく千沙に直談判した。人間の運命とは非肉なもので、何が人生を変わらせるかわからない。英司と会った千沙は、彼の個性的な容貌とスタイルを一目見て、直感的に<この青年は、スターになれる!>と判断した…。

日本
製作:日活 配給:日活
1962
1962/8/5
イーストマン・カラー/8巻/2424m/89分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】江東区(深川)/品川区(五反田・新東京木材五反田市場付近の跨線橋)/目黒区(目黒区公会堂)
【神奈川県】横浜市(横浜新道)/大磯町(大磯ロングビーチ)