ペット吹きのアキラが一流バンドを編成するまでの非情さと苦闘を描く、歌、アクション、慕情とアキラの真髄をつく絶好の娯楽アクション大作
流しのペット吹き山川潤は、毎夜、岸壁に立ってはスター・プレイヤーへの夢を夜空に描いていた。「俺もいつかこの烈しい波のようにジャズ界に君臨してやる」口癖がまた陶酔に変わっていった…。山川の稼ぎ場は、神戸の港近くにあるネオン街だ。今夜も山川はバー「モナリザ」に流しに入った。素人離れした山川のペットに、流しの小野と中西がすっかり惚れこみ、地廻りに喧嘩を売られた山川に加勢して大乱闘をするまでに友情が芽生えた。これを機会に流しあがりのテナーの庄司、ピアノの前田も加わり、ジャズ界乗り出しを計画した。あくる日からラーメンをすすり、やけ酒をあおりながら練習を続けチャンスを狙った。手始めにキャバレー「セルペンテ」の審査を受けた。メインバンドの飯田らのスローな演奏とは違って、山川のバンドは爆発的なもので俄然客席は活気づき、難なく契約も決まり、また、山野プロの女社長の懐刀、週刊芸能記者須貝京子の目にもとまった…。