太陽のように明るく
たいようのようにあかるく

無邪気で清らかな心は、いつも太陽のように人の心をなごやかにする。盲目の少女がその純真無垢な心で、やくざの世界にあえぐ青年を救う珠玉篇。

阿久津組の乾分である健とサブは、失敗の穴埋めに幹部の笹原に二万円を払わなければならず、競輪場で血眼になっていた。資金が残り少なくなり、 金になるものはないかと見回す二人の眼に映ったのは、一見して家出娘とわかる少女を取り囲んだ学生たちだった。「あの娘なら二万円になる」そう思った二人は後をつけ、学生たちを脅迫して少女をゆずり受けた。しかし、様子がおかしい。少女は黒眼がちの目を大きく開けているのだが、何をするにも手探りするような恰好をする。目が見えないことに気づいた二人は、呆然とした。方々をあたったが、少女の引き取り手は見つからず途方に暮れた。サブは少女を捨てようと言うが、無邪気に二人を信頼している様子みて、健はどうしてもそう出来なかった。少女は里美と言い、幼いころ病気で視力を失い、さらに両親と死に別れたため親類の世話になっていたが、冷たい仕打ちに耐え切れず貯めた二万円を持って上京したという。身の上話を聞いた健は、里美をアパートに泊めてやることにした。しかし、彼女の二万円が気になる健は落ち着かず、誘惑に負けて財布をもぎ取ると、笹原のところへ向かった。金は返したものの、激しい良心の痛みを感じた健は大急ぎでアパートへ帰り、里美を抱きしめて「金はきっと返す。眼も治すんだ」と叫んだ。腕の利く眼科医がいると聞いた健は、里美を連れて行った。一風変わったその医者は、治療費後払いで手術を引き受けた。手術は成功し、健はヤクザから足を洗うことを決心した。だが笹原の執拗な嫌がらせは続き、魔の手は里美にものびて…。

日本
製作:日活 配給:日活
1962
1962/5/15
モノクロ/6巻/1955m/72分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】台東区(上野公園・西郷隆盛銅像付近、上野動物園・モノレール下近辺、上野スター座前、上野駅陸橋、アメ横、上野警察署前、坂本町=現・根岸)/港区(東京タワー)