気まぐれ渡世
きまぐれとせい

自動小銃の密造を背景に殺人事件の渦中に巻き込まれたジョーが、得意のライフルに賭けて大暴れ。日本一の男意気を発揮する娯楽アクション。

白坂譲次は、射撃の名人だ。全国の射撃場に片っ端から乗りこんでは儲けていた。その譲次が、ヨレヨレの背広を着た男に珍しく負けた。賭け金に振り向きもしないその男は、日高刑事だ。追いかけた譲次がニッと笑って彼の警察手帳を掴むと、日高刑事も譲次の利き腕をニヤッと笑って掴んでいた。その夜、新宿の酒場で譲次の隣に座った赤ん坊を抱いた男を、頰に傷のある男がを表に呼び出した。傍にいた譲次は気安く赤ん坊をあずかったが、父親がいなくなると赤ん坊は泣き出し、譲次の膝はビショ濡れとなった。慌てて男を追いかけたそのとき、銃声が鳴った。譲次が駈けつけると、赤ん坊の父親は既に虫の息となっていた。一方、譲次は酒場の主人の証言で、殺人犯の汚名を着た。鑑識の結果、犯人の拳銃は“J1号”という強力な特殊拳銃であることがわかった。J1号拳銃は譲次が戦時中に手製で作ったもので、かつて傷害事件にも使用した譲次の容疑は決定的だった。同時に、当局ではJ1号が都内で大量製造されているという情報を掴んでいた。そうとは知らぬ譲次は、赤ん坊の父親を殺した犯人を探していた。孤児の譲次は、同じように孤児の運命を背負った赤ん坊が不憫でならない。赤ん坊は、かつて譲次と同じ孤児院にいた、教会の美しい尼・蕗子に引き取られた。やがて譲次は、殺された男は黒木という玩具のガン屋で、殺した男は緒方という殺し屋であることをつきとめた。ある夜、玩具のガン屋「黒木屋」に忍びこんだ譲次の前に、赤ん坊の母親と名乗る妖艶な女性が現われた。赤ん坊を返す約束をしたところへ刑事の急襲があり、譲次は素早く闇の中に消えた。その後、譲次のアパートに射撃場で譲次を負かした日高刑事が現われた。日高刑事は、さり気なく鋭い訊問を浴びせたが、譲次がシロという確信をますます抱くだけだった。ところが日高刑事が警視庁に帰ると、特殊拳銃事件の首魁として譲次に逮捕状令が出されていた…。

日本
製作:日活 配給:日活
1962
1962/2/18
カラー/92分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2520m
日活
【東京都】千代田区(警視庁玄関、日比谷公園)/中央区(尾張町交差点、並木通り)/新宿区(四谷)/荒川区(三河島の工場街)/台東区(谷中墓地)/港区(東京港突堤)/練馬区(豊玉のカトリック教会=カトリック徳田教会か?要調査)