猫が変じて虎になる
ねこがへんじてとらになる
世にも不思議な不老長寿の街を舞台に、長門裕之、小沢昭一の二人が名演(?)をくりひろげる爆笑喜劇。
ニコニコ生命の外交員・葛井久六は正直者だが大酒飲みが玉にキズ。酒の失敗がたたり、会社にかけた損害が何と三億円。今度もへマをやらかしてクビこそ免れたものの、部長から“絶対禁酒”の命令を受け、寿市に出張することになった。東京駅から乗り込んだ寿市行の列車で久六は、人相の悪い殺し屋スタイルの男・丁野目半次と、チョイとイカスグラマーな女・松村葉子と知り合った。列車が寿駅に到着すると、葉子も半次もここで降りるらしい。町に出た久六は、ビックリ仰天。日本中の老人が集まったのではないかと思われるほど大ぜいの老人がウジャウジャ。しかも彼らは地酒“寿誉"を水みたいにガブガブ飲んでゴキゲンなこと。聞けば、寿誉は不老長寿の酒で、死ぬ者が一人もないため老人の町になったという。久六は保険の勧誘にまわったが、サッパリ駄目。なにしろ死ぬ心配がないのだから、老人連は保険などに興味がない。その夜、久六は宿で再び半次と会った。ところが、この町の小ボス瀬川の手下・長島と桑田が、久六を東京から呼んだ殺し屋と間違え、そのうえ本職の殺し屋である半次まで彼を同業者と勘違いしたので、話は厄介になってしまった。瀬川は、大ボスで寿誉の醸造元である大宅佐兵衛の密命を受けて、ラクダの馬五郎の地所を狙っていた。しかし、馬五郎が首をタテにふらないので、瀬川が殺し屋を呼んだ矢先に久六が現われたというわけだ。 瀬川にチヤホヤされる久六。面白くない半次は、拳銃による決斗を申し込んだ…。
日本 製作:日活
日活
1961
1962/1/23
モノクロ/74分/シネマスコープ・サイズ/7巻/2002m
日活