兄貴
あにき
街のちんぴらと、彼の面倒をみるある逞しい用心棒との兄弟愛に似た男の友情と不正への闘争を強烈なタッチで描く二谷のアクション篇

ビル街の空は赤く燃えていた。歩き疲れた健が工事場にひっくり返っていると、突然、数人の人夫が健に殴りかかった。人夫たちは健をコソ泥と間違えたのだ。健は憤激して人夫たちに立ち向かった。すると、そこへ通りかかった男が人夫たちの手を引かせた。その男は工事を請け負っている岩田組の幹部石井だった。その日の夕方、またも健はチンピラと喧嘩した。追われて逃げ込んだナイトクラブ「ナルシス」の裏口で、健は偶然にも石井とばったり会い、また助けられた。その夜、健は石井のアパートに行き、きかれるままに両親に死別したことを話した。石井は同情して、当分このアパートにいるように健にすすめた。翌日、石井が岩田組の事務所に行くと、大幹部の田代が、石井のナルシスに対するやり方が手ぬるいと責めた。やがて始まる区画整理の計画によると、ナルシスが街の中心になるはずだった。それを知ったボスの岩田が、女の細腕一本でナルシスを経営しているマダムの昌子に金を貸し、それをタテに石井を使って立ち退きを要求しているのだった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1962
1962/1/27
8巻/2170m/80分/イーストマンカラー/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】豊島区(池袋駅東口・俯瞰、同・西武百貨店前、同・池袋大映及び池袋東映前、池袋駅西口・ヨーカ堂付近、池袋警察署前、東西連絡地下道入口)/品川区(大井オートレース場)/文京区(後楽園競輪場)/多摩川