エースのジョーが、大平原を愛馬に跨り疾駆し、友情、復讐、慕情の織りなす波瀾万丈の西部調アクション巨篇
ローカル線の終着駅を降りた川崎錠次は、目的地の西っ原に車で行く予定だったが、土砂崩れのためやむなく馬を借りた。その錠次を東京からずっと尾行しているのは、童顔の残っているやくざの青木信二。父親の組長を錠次に殺された怨みからその隙を狙っているのだ。日もとっぷりと暮れた森の中…。今しも鉄道工事監督官の一人、矢島は新興地西っ原のボス坂口の命令を受けた子分たちに囲まれていた。矢島は、鉄道工事の進行を妨害する坂口の行動を検察庁に報告するため町を脱け出したが不運にも掴まった。リンゴをかじっていた木津の残忍な抜き射ちにより矢島は声もなく崩れた。森の中で銃声を聞いた錠次は慌てて駆けつけ、木津始め子分の大田黒、川田たちを追い払ったが矢島は既にこと切れていた。西っ原町の派出所の中根警部補は矢島の死体を運んできた錠次から事情を聴取した。