ボクシング・チャンピオンを夢見て上京した二人の青年が運命に引き裂かれ、別の道を歩んでいく。人間模様が泣かせる、鈴木清順監督&和田浩治主演のボクシング映画。
幼馴染の三井金治と下山藤吉はボクシングチャンピオンの夢を目指して故郷の小さな島を後にした。東京に出た二人は伊庭組の千田と名乗る男と知り合いになった。伊庭組はボクシングジムも経営するヤクザだった。下山はそのまま伊庭のOKジムに残ることになったが、三井は伊庭組にスポーツとはかけ離れた雰囲気を感じ、そこを飛び出してしまった。三井が元気のない足取りで街を歩いていると、憧れの新進ボクサー・飯野の写真が載ったポスターが目にとまった。そのクラブは原口ボクシングクラブ。三井の予想以上におんぼろのジムだった。だが希望に燃える三井の目には憧れの輝かしいジムに映った。三井は住み込みの練習生として置いてもらうことになり、毎日ビラ貼り、ジムの掃除など道場の手伝いをしながら僅かの暇を見つけては練習を続けていく…。