草を刈る娘
くさをかるむすめ

「警察日記」をしのばせるローカル色豊かな美しい抒情で、田園に働く若者たちの純愛を謳いあげる浜田・吉永の純愛コンビ第二作。

津軽平野に秋が来た。岩木山のふもとの草原には、馬車や荷物をつらねた草刈り隊の若い歌声が流れる。この地方の農民たちは、秋になると二週間ぐらい、次の一年分の馬草を刈る。近くには温泉もあり、彼らにはレジャーを兼ねた楽しい年中行事の一つだ。双見部落草刈り隊のリーダー・そで子婆さんに連れられて初めてやってきた十八オのモヨ子は、リンゴのような頬をした明るく健康な乙女で、ロマンチックで幸福な結婚を夢みている娘だ。そんなモヨ子に、そで子は“今年こそはいいムコを見つけてやんべ”と考えるのだった。近くの草原に、富田部落の草刈り隊がやってきた。そこのリーダー・ため子婆さんは、そで子婆さんと大の仲良し。挨拶を交わすと、遠い親戚で十九オの真面目な青年・時造を連れてきたと言って耳よりな相談をはじめた。彼女らは毎年会うごとに結婚話をまとめるのがとても楽しみなのだ。翌日、モヨ子は一人で山奥の草刈り場にやらされた。そこには、やはり一人でやってきた時造が一生懸命草を刈っていたが、時造を見てビックリするモヨ子。彼女はその朝、飲料水にする川で、そうとは知らずに馬を洗っていた若い男を散々やっつけたのだが、その男だったからだ…。

日本
製作:日活 配給:日活
1961
1961/10/25
カラー/87分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2365m
1961 日活株式会社
【青森県】津軽の山麓、街道、高原、谷川