真昼の誘拐
まひるのゆうかい
学生グループが刺激を求めて少女を連れ出したことから、思わぬ大事件に発展する。デビュー間もない高橋英樹、中尾彬が出演した異色青春ドラマ。

学生ともやくざともつかぬ青年たちが薄暗い喫茶店で、遊ぶ金を調達する算段を巡らしていた。仲間の一人、チイ公は金持ちの家の子を連れ出し、見つけてきたようにその子を返すのはどうかと提案する。謝礼に5万円くらいくれる家の当てがあると言うのだ。あまりに大胆な計画にみなしばらく押し黙っていたが、首領格の藤村がまず口を開いて、計画を実行に移すべく手筈を整えた。その時、モト子がそっと店を出て行ったのを誰も気が付かなかった。やがて彼らを乗せたタクシーが立派な門構えの家の前で停まった。チイ公は庭で子犬と遊んでいた5歳くらいの少女を言葉巧みに誘い出し、連れ去った。彼らは金田の6歳になる弟に少女の相手をさせ、遊園地で遊ばせた。何も知らない少女は無邪気に遊んでいたが夕暮れになった時、いつの間にかたった一人で取り残されていた。少女は泣き出し、そこに藤村たちが近づく。彼らは計画通り、金田とチイ公が少女を捨てた後、あたかも迷子になった少女を家へ送り届けることになっていたのだ。藤村らは少女を車に乗せて家の前まで来るが、家の前には警官やパトカーが大挙していた。事の重大さに驚いた彼らは少女を返すこともせず、そのまま金田やチイ公が待つ喫茶店へ逃げ帰った。一夜明け、翌日の新聞は少女の誘拐と、二通の脅迫状が送られていることを報じていた…。

日本
製作:民芸 配給:日活
1961
1961/10/8
モノクロ/65分/シネマスコープ・サイズ/6巻/1756m
日活
【東京都】世田谷区(二子玉川)