安保闘争で騒然とする1960年代を舞台に、裕次郎演じる経済的にも裕福な大学生と、クラスメイトの芦川いづみのひと夏をリリカルに描いた、石坂洋次郎原作の青春傑作ドラマ。
都心から離れた丘の上、恵明大学のキャンバスには多くの学生が在籍している。派手なスポーツカーで通学する金持ちの者や、アルバイトでやっと生活している者もいる。しかし彼らは生活の格差など一向に気にせず、そこには若さと明るさと、太陽だけがあった。三郎は母が有名な美容師のため裕福な家庭にあり、その性格は大胆で奔放だった。今日も授業中にうっかり「夜の女を買った」と話したため、クラス中の女子生徒から吊し上げられてしまった。クラスメイトのけい子は、そんな三郎の破天荒な性格に軽蔑と憧れが入り混じる複雑な思いを抱いていた。夏休み、三郎やけい子たち五人のクラスメイトは軽井沢にある三郎の別荘までドライブ旅行を楽しんだ。そしてその晩、けい子は三郎のある秘密を知ってしまう。
鬼才・中平監督と裕次郎のコンビによるテンポの良い会話やダイアローグが冴え渡り、また芦川の妹役で吉永小百合、酒井和歌子という豪華共演陣も魅力。