学生と旅芸人の一座のふれあいを描いた鈴木清順・和田浩治コンビによる青春映画。かき氷をかけられる度に画面がイチゴ色、メロン色、レモン色になる場面に、のちの清順美学の片鱗が覗える。
大学生の信太郎は重いリュックを背負って出発した。アルバイト先の下着工場が破産してしまい、給料のかわりに大量の下着をもらったため、夏休みを利用して行商に出るのだ。その旅の途中、信太郎は酔っ払いに絡まれている美佐子を助ける。美佐子は旅回りの演芸一座の看板娘で、座長の一人娘だった。演芸団は千葉の佐原市で幕を開け、信太郎も縁日の道端で下着を売り始めたが、地元の与太者たちに絡まれる。しかし信太郎の腕は冴え、あわや大乱闘になろうとしたところを香具師の青木に仲裁されて事なきを得た。青木は信太郎の腕っぷしの強さに惚れ、自分の香具師一家に加わることを勧める。一方、美佐子の一座では稼ぎ頭のドラマーとストリッパーが悪徳興行師に引き抜かれ窮地に陥っていた…。