少々オッチョコチョイでそそっかしいのが玉にキズだが、意気と若さ溢れる正義派サラリーマンが悪玉社長一派相手に珍武勇伝を展開する痛快爆笑喜劇篇。

のんびりとした毎日に明け暮れるある田舎町。その町はずれにある極東醸造KKでは、赤字経営の原因を追究するため腕利き社員が東京の親会社から派遣されるというから大騒ぎ。社長の市岡、専務の松村、部長の川崎、生田といったスネにキズもつ連中は青くなった。そんなところへ貨物トラックとともにやってきた男が、転勤してきた天童九太郎と判り一同ビックリ仰天。最初から度肝をぬかれた市岡一派は、彼を倉庫課長・沖山の家に下宿させることにした。翌日、出勤した九太郎は暇さえあれば手帳に何か書きつけている。市岡たちは震え、悪玉社員たちは彼に喧嘩をふっかけたが全員ノックアウト。小島ら正義派社員は力を得て気勢をあげた。現ナマで買収しようとしても全然駄目。芸者〆蝶に誘惑させようとしても、彼にはちっとも通用しない。切端つまった市岡らは、美人と評判の沖山の娘・真澄と強引に結婚させてしまおうとしたが、不潔な考えに真澄はプンプン。九太郎はあらゆる部課を転々とタライ回しにされたが、悠々と手帳に何かメモしているのを見た市岡から、ついに「手帳を盗み出せ」と社長命令が下された。チャンスは意外に早くやってきた。会社創立十周年祝賀会の余興で、九太郎が射的のマトになったスキに、沖山は手帳を盗むことに成功した。その手帳の内容というのが…。