青い狩人
あおいはんたー

中流家庭の高校生と田舎出の酒場の女との間に繰り広げられたひと夏の情事を中心に、高校生の微妙な心理の陰影を描いた青春激情篇。

河村は刺激ある世界を求め、仲間と遊び歩いている高校生だ。だが彼の青春の血は、ゴルフにもサッカーにも、酒にも女にも充たされることがない。些細なことでゴルフのコーチをなぐり、酒場では喧嘩し、女を利用してパーティで儲けるといった虚無的な生活に明け暮れていた。ある晩河村は、仲間とクラブ・エレナへ出かけた。そこで河村は、客に無理やり抱き締められている女を得意のハッタリで救った。女は新顔のホステスで、青森から出てきたばかりの初々しい娘だった。河村は彼女と踊りながら、故郷のりんご、津軽の海、姉もまたクラブで働いていることを聞いた。帰りしなに聞いた “恵子” という彼女の名前が、河村の耳に響いた。河村は、たびたびエレナに足を運んだ。河村に次第に魅かれていった恵子は、遅くなった彼をアパートへ泊めることになった。そこで河村は、西沢というトロンボン吹きの男と遭った。恵子は西沢を同郷の人だと紹介した。二人の関係を気にしながらも、河村は彼女のアパートへしばしば遊びに行くようになった。数日顔を合わせなかったある日、アパートを訪ねた河村は、ものが散乱している部屋の様子に驚いた。賭博の借金を返済するため、西沢が恵子の通帳を盗っていったという。 憤慨した河村は、西沢の出ているクラブに行き、彼を罵倒した。河村の恵子に対する愛情は加速した。河村は、仲間を連れて恵子のアパートを訪れるようになった。彼は仲間といるときは、恵子にわざと乱暴な態度を見せたが、彼女は彼の照れ隠しと察していた。仲間の一人、高津も恵子に密かな愛情をよせていた。高津は恵子が可哀そうだと河村の遊びを咎めたが、河村は相手にしなかった。ある夜、恵子が嘔吐し、河村は恵子の妊娠を知った。まだ父親になる資格がない、と彼女に病院へ行くことをすすめた河村は、その金の調達に苦心しているとき、西沢が恵子の許婚だったことを知った…。

日本
製作:日活 配給:日活
1961
1961/7/10
モノクロ/6巻/1802m/66分/シネマスコープ・サイズ
日活
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