舞妓の上京
まいこのじょうきょう

生まれて初めて東京にやってきた純情可憐な若き舞妓が、そこで知った喜びや悲しみを小さな胸いっぱいにたたえて綴る青春ドラマ。

まだ十五歳の舞妓・小えんは祇園小唄をご機嫌に口ずさみながら特急こだまに乗り込んだ。乗客たちが彼女の美しさに見とれている中で、見送りにきたおかみに微笑みを投げかける。列車の行き先は花の東京、小えんは生れて初めての東京見物に心を躍らせていた。その小えんの連れは東京芸者のよしえで、小えんとは対照的に顔を曇らせている。というのも、おかみが小えんを上京させたのは観光のためではないと知っていたからだ。本当の理由は東京の馴染み客の借金を小えんに集金させるためだった。その夜、赤坂にあるよしえの家に落ち着いた小えんは、初めて事実を聞かされ驚いたが、落ち込むことなく翌日から馴染み客を訪ねてまわるのだった。しかし若い娘の借金取りが来たところで客たちは相手にせず、嘘をついて追い返したり居留守を使ったりして、小えんの集金はなかなか思うように進まなかった。「うち、どないしょう…」夕方、小さな公園で目に涙を一杯にためて途方に暮れる小えん。そんな彼女の前を、京都の小学校で一緒だった修吉が偶然通りかかった。何年ぶりの再会、一人上京して頑張っている明るい性格の修吉と話しているうちに、小えんの心も少しずつ晴れてきた。そして明日、東京見物に行く約束をする。

日本
製作:日活 配給:日活
1961
1961/6/19
モノクロ/5巻/1704m/62分/シネマスコープ・サイズ
日活
【京都府】京都市(東寺五重塔を臨む京都市内俯瞰、高瀬川、八坂神社、京都駅・1番線ホーム、同・線路俯瞰、祇園)
【東京都】千代田区(東京駅・ホーム、同・丸の内口、同・はとバス乗降場、走るはとバス車内、靖国神社、国会議事堂前、二重橋、日比谷公園)/中央区(銀座、永代橋)/台東区(浅草六区、上野公園)/港区(迎賓館前、東京タワー下)
【静岡県】(浜松駅ホーム)