26歳の大学生・畑中正太は28歳の姉さん女房・村木カナ子と結婚した。カナ子は再婚で、信吉という小学一年生の連れ子がいた。二人の結婚に両親は大反対で、正太は勘当されてしまう。関東学生奇術トーナメント6回優勝という記録を打ち立てた正太も、勉学の方は思うに任せず大学に8年も在学していた。なんとか正太を卒業させたいカナ子は学費は自分が働いて何とかするからと正太を説得し、正太は毎晩、信吉と机を並べて勉強するようになり、それを傍で見ているカナ子も幸せだった。だが、母校の野球の祝勝会で後輩の学友を次から次へと家に招いたために家計はたちまち火の車。カナ子は浅草で蕎麦屋を営む伯母に借金のお願いをするのだが、カナ子の窮乏を見かねた伯母は信吉を引き取ることを提案するのだった。