高校三年生の行雄と亮子の家は隣同士だ。亮子は美男子の行雄が好きだが、彼は亮子を子供だと言って相手にしない。行雄は、高校の国語教師・のぶ子を一途な気持で慕い、激しい恋心を抱いていた。行雄と亮子は大学入試を控えていたが、どうしても試験勉強に身が入らない。母親たちは、仲の良い二人が喧嘩ばかりしているからだと思っていた。そんなある日、のぶ子のことで級友たちと喧嘩した行雄は、ほとばしる憧れの気持ちをぶつけるように、のぶ子へ手紙を書いた。春、三月。行雄は大学の入学試験に合格した。高校生としての束縛から解放され、急に大人になったような楽しさが行雄を浮き浮きさせた。そして何よりも、先生と生徒という関係でなく、女と男としてのぶ子と交際できるという喜びが彼を有頂天にさせた。しかし、のぶ子には英助という婚約者がいた…。