目的のために手段を選ばない凶悪な麻薬密売組織に、死をも恐れず潜入した取締官の血で血を洗う凄まじい闘いを描く異色アクションドラマ。
国際港横浜―その港の見える旅館の一室で、じっと電話を待っている男がいた。「今夜八時行動開始だ。浅倉と橋口という男が一緒に」謎のような電話にその男、川越佑介は今夜浅倉という麻薬売人の護衛をするのであった。佑介、浅倉、橋口の三人は買手である高野の経営するキャバレー“セブン”に集まった。問題の麻薬は、高野の子分石井が浅倉の指定した隠し場所から運んでいる最中だった。しかし、石井の車が途中でパトカーに追われてしまう。それに怒った高野は浅倉にあたりちらし、その手にはさり気なくトランプをもてあそんでいた。そのカードの裏には何人かの男の写真がはりつけてあり、その中の一枚は橋口の顔であった。そして、夜ふけて街をゆく橋口に死の銃弾が襲いかかってしまう。佑介に抱かれた血だらけの橋口は「俺は関東の麻薬官だ。あのトランプの写真に気をつけろ‥‥」こう言い残すと生き途絶えてしまう。実は佑介は、関西地区担当の麻薬取締官であり、極秘命令のもとに仮釈放された元密売人浅倉らとオトリ捜査に横浜に来ていたのだ。しかし、別方面から潜入していた橋口は見やぶられて殺されてしまった。義憤に燃えた佑介は、浅倉を引きずるようにして再び“セブン”に乗り込むのであった。