無鉄砲大将
むてっぽうたいしょう

空手が得意な高校生が愚連隊相手に正義の鉄拳を振るう。鈴木清順監督・和田浩治コンビによる3作目で芦川いづみも出演している。独特の色彩感覚や鏡を使ったショットなど清順監督の遊び心が満載。

緑丘高校の空手部員・海津英次は正義感に燃える好青年で、我が物顔で街をのし歩く愚連隊に対抗するため、友人の杉戸春男と彼の家で働く雄作を誘い“白柄組”というグルーブをつくってパトロールしていた。これを快く思わない新界興業は、乾分のトメやゲンに嫌がらせさせたが、才智にたけた英次に逆に痛めつけられていた。英次たちの溜り場、音楽喫茶ボンヌのウェイトレス雪代は、英次たちの憧れの的だった。とくに英次は、雪代のためならなんでもやるぞと心に誓っていた。そんな英次を雪代も可愛がり、面倒を見ていた。雪代には、新界興業の兄貴株である五郎という恋人がいた。五郎は、やくざの世界に嫌気がさし、雪代のためにも足を洗おうと努力しているのだが、五郎を孤児のときから引きとって育てあげた新界興業のポス新界が、それを許そうとしなかった。英次は、母の秋江が新界の世話で、バー「ベニ」を経営していることに納得がいかなかった。一方新界は、雪代が五郎の恋人であるのを知りながら、色あせた秋江の後釜にと雪代を狙っていた。そのころ、当の雪代は父の酔いどれに手を焼いていた。元は有名な外科医だったが、母を亡くしてからは酒だけを生き甲斐にしているような呑ん平ぶりだった。数日後、新界は秋江に別れを宣告すると、雪代を奪うため殺し屋の坂崎に「五郎を消してしまえ」と命令し、その足で雪代のいるボンヌに向かった…。
日本
製作:日活 配給:日活
1961
1961/4/16
カラー/82分/シネマスコープ・サイズ/7巻/2231m
日活
【東京都】豊島区(池袋)/練馬区(豊島園ローラースケート場)
※作品のタイトルは「少年白柄組」「東京白柄組」「花の都の暴れん坊」の案を経て『無鉄砲大将』となった。