豊橋を舞台に、小林旭が友人の死の謎に迫る『流れ者』シリーズ第5弾(最終作)。ライバル役には宍戸錠に代わって神山繁が登場。藤村有弘も十八番の謎の中国人に扮して見せ場を作る。
東海道の松並木を馬車に揺られ、赤鬼祭りで賑わう豊橋に野村浩次がやって来た。彼は塩沢火薬に勤める親友・瀬沼に会いに来たのだ。ところがその瀬沼は昨夜工事場を爆破して失踪したという。その夜、浩次は憂さ晴らしに入ったキャバレー・ブルースカイでやくざから中年男を助けるが、その男は近くの島にある造船所を経営する瀬沼の父・庄造だった。翌朝、波打ち際に瀬沼の溺死体があがった。瀬沼の死を知った浩次は、事件の真相を暴こうと行動を開始する。庄造の娘・杏子によると、塩沢は最初から造船所を乗っ取る目的で瀬沼に金を貸し、担保に島まで取り上げようとしているということだった。浩次は塩沢に会うため再びブルースカイを訪れ、金に困っているので自分を雇ってくれと頼む。そこには拝島という流れ者がいて、塩沢は拝島か浩次のどちらか一人を用心棒に雇うと約束し、二人はトランプで勝負するのだった。その後、塩沢の暗躍はついに庄造から島を奪い、さらには杏子を嫁にくれと申し入れるまでにエスカレートする。そして浩次は塩沢が島を火薬の密造所にしようとしていることをつかみ、取引のため島に向かう船に乗り込む…。