機動捜査班
きどうそうさはん

機動捜査班シリーズ第1弾。「覆面パトカー」が、暴力団の殴り込み、麻薬にからむ凶悪犯罪を解決するまでの決死の活躍をスリルとサスペンスで描く本格的な刑事映画

ネオンと騒音の渦巻く夜の歓楽街に人だかりがした。一台の乗用車がヤクザ風の男たちに囲まれて、蹴られたり窓ガラスを割られたりという乱暴を受けていた。乗っている一見紳士風の男たちは皆黙って暴行に耐えているようだったが、やがて乱暴者の嘲笑や罵声に追われるようにしてその乗用車は街を出ていった。走る車の中では中年の男に若い男がなだめられて口惜しそうにじっと唇をかんでいた。官能をかきたてるような音楽と嬌声の交錯するキャバレー「アニタ」の奥まったボックスには、一帯のヤクザ近松組の鈴木が女給を相手に飲んでいた。とそこへ突然入ってきた荒川グループの金次たちは内ポケットから拳銃を抜くと鈴木を狙って発射した。連絡を受けて集まった警官たちにまじって、さきほど街で暴行を受けた車の男がいた。“機動捜査班”いわゆる覆面パトカーに乗り込んでパトロールする大宮刑事と伊藤刑事である。支配人から事情を聴取した両刑事は近松組と荒川グループの縄張り争いのもつれだと判断した。直ちに捜査会議が開かれ、縄張り争いが表面化しないうちに芽を摘んでおくことに決定、近松と荒川の両組長を出頭させ取り調べることになったが二人とも知らぬ存ぜぬの一点張りで、確証を挙げていない警察は手の施しようがなかったため、捜査課長は大宮、伊藤の両刑事に覆面パトカーで内密に捜査を続けるように命じた。

日本
製作:日活 配給:日活
1961
1961/4/3
モノクロ/6巻/1841m/68分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】新宿区(ガード下、新宿の街、明治神宮外苑)/世田谷区(代田橋)/葛飾区(小菅刑務所)/千代田区(桜田門、警視庁・中庭、同・実景、丸の内実景)/渋谷区(代々木上原)