破れかぶれ
やぶれかぶれ

女と金にだらしなく、ゆきあたりばったりに生きる青年が泥沼から這い出そうともがく姿と、身の危険を覚悟で彼を救おうとする年上の情婦を描く、野心的なアクションドラマ。

光夫は東西興業事務所に出入りし、情報を売って日銭を稼いでいるチンピラだ。先を越された次郎はボスから情報料を受け取る光夫の後ろ姿を恨めしそうに眺めていた。その光夫はバー・パンチョスを経営する年上の女・加代と店の二階で同棲していた。十歳も年齢が離れている光夫を加代は心から愛している。光夫をどうにか真っ当な職業に就職させようと日々努力しているが、そんな加代の真剣な想いなど露知らず、光夫はいつか南米へ移住したいと勝手に夢想しながら気ままな毎日を過ごしていた。しかしある日、光夫は兄貴分の辰に預かった競馬の金を言われたとおりに買わなかったため全額失ってしまう。慌てて加代に事情を話し、呆然とする加代からなけなしの金をひったくると、光夫は表へ飛び出した。翌朝、次郎の案内で辰がパンチョスに金の督促にやって来た。「二日待ってください、お金は必ず返します」と加代が蒼白な顔で訴えていると、そこへ光夫が新車のオートバイに乗って颯爽と現れた…。

日本
製作:日活 配給:日活
1961
1961/2/11
モノクロ/6巻/1864m/68分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】港区(東京港・芝浦桟橋)/千代田区(有楽町・東京高速道路俯瞰、秋葉原・東京青果商会館前)/台東区(上野・アメ横、中通り、広小路、二長町大通り、上野日活前歩道、赤札堂店内、御徒町駅前)/品川区(大井競馬場)
※都内ロケの大半を『狂熱の季節』同様、小型カメラのカメフレックスで手持ち撮影し、加えてドイツの好感度フィルム・テルキネを使用したノーライト撮影で現実感を出している