「俺はトップ屋だ」シリーズ第一弾。国際的な宝石密輸団の謎を巡って、美人スチュワーデスと熱血トップ屋が善悪の死闘を繰り広げる活劇。
大都会の夜、人気のないビル街を行く一人の男が殺され、持っていたバッグを奪われた。中には金色に輝く小さな仏像が入っていた。数日後、トップ屋の黒川は、殺された男・柴田が密輸に関係しているとあたりをつけて羽田空港に来ていたが収穫は得られず帰ろうとした矢先、クラクションを鳴らしっぱなしにした車が目の前に滑り込んできた。運転台に突っ伏した男に黒川が声をかけると、その男も心臓を射抜かれて死んでいた。駆け付けた警官隊は黒川を容疑者として連行するが、その時、野次馬の中に意味ありげな視線を黒川に注ぐ殺し屋風の男がいたのを見逃さなかった。警視庁で旧知の小柳警部に放免された黒川は、その夜「週刊事件実話」の編集長・柳生と会うがポケットに一枚の銀貨が入っていることに気づいた。それは羽田の殺人騒ぎの中で黒川がスチュワーデスの女から落とし物だと言って渡され、ろくに確認もせずにポケットに突っ込んだものだった…