香港、タイを舞台に秘宝を巡って渡り鳥・伸次、ギャング団、殺し屋ラオスの虎が対決する。初めて東南アジアに海外ロケを行った『渡り鳥』シリーズ第6弾。
街から街へと流れ行く渡り鳥・滝伸次は、横浜で国際的ギャング団に襲われた商社の社員・松本を助けた。その時、ギャングの一員が死んだ兄・昭次のネックレスを身に着けているのを見た伸次は、兄の死に疑惑を抱く。伸次はネックレスの持ち主が香港のギャング、ジェラールであることを突き止め、兄の死の真相を探るべく香港に飛んだ。香港では松本の妹・則子が待っていた。彼女は兄に頼まれた書類をバンコクで研究を続ける恋人・南条に届ける途中だった。だがその夜、ホテルの則子の部屋にまたもやジェラール一味が書類を奪おうと押し入った。伸次はバンコクに行けば手掛かりがつかめると、則子とともにバンコクへ飛ぶ。伸次はキャバレー・サザンクロスにギターを抱え、流しに入ると、またもやジェラール一味が押し入り、客の金銀を奪って逃走した。伸次は後を追おうとするが香港から来たリーに止められる。ジェラール一味の幹部にはラオスの虎と呼ばれる早射ちの名人がいるので、追っても無駄だというのだ。ジェラールたちはボスの命令で、アユタヤのロチャ家にあるジルコン鉱山の権利書を狙っていた。そんな時、アユタヤにいるはずの南条が行方不明になったという報せが入る。「南条さんの地図、俺の兄貴の死、ジルコン鉱山の権利書。アユタヤに行けばこの3つの関係がわかるかもしれない」。伸次と則子はアユタヤへと向かう。