少女
しょうじょ

田舎から上京した少女が、大都会で知った様々な人生体験を通して力強く成長してゆく過程をほのぼのとした愛情で描く、感動の抒情篇。

汽車が煙を吹き上げながら上野駅に滑り込んできた。それにはセーラー服姿のカネ子も乗っていた。貧しい家族を助けるために田舎から上京してきたのだった。しかし彼女は悲観しておらず、雑草のような強い意志と底抜けの明るさをもった少女で、初めての東京にその美しい瞳をキラキラとさせていた。駅にはイトコの由造が迎えに来ていた。彼は小さなオートバイ屋の長男で、楽団を夢見て暇さえあれば下手なトランペットを吹いている音楽青年だった。カネ子もまた変わった夢をもっていて、小説家の弟子になると言って、地図をたよりに郊外にある憧れの小説家、草田の家を訪ねた。カネ子はそこで草田から「世の中はそんなに甘くない」と散々説教を受けたが、草田の一言一言は彼女を余計感激させるばかりだった。カネ子は苦労をしてこそ本当の小説が生まれると知り、張り切って就職先を探すことにする。何も知らない世界に体当たりで飛び込んでいくカネ子だったが…。

日本
製作:日活 配給:日活
1961
1961/1/14
モノクロ/5巻/1614m/59分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】豊島区(池袋スケートセンター)/中央区(築地、佃島、昭和通り)/港区(新橋・キャバレー「ミス東京」前、赤坂離宮)/新宿区(神宮外苑)/大田区(田園調布、玉川)/台東区(上野公園、上野交番前、上野駅ホーム)/千代田区(国会議事堂前)/あきる野市(国鉄五日市線西秋留駅)/町田市(鶴川)
【静岡県】御殿場市
【山梨県】甲府市(実景)