封建的な学者肌の父親と思春期の三人姉妹の愛と葛藤を描く。『ガラスの中の少女』に次いで吉永小百合と浜田光夫が共演したホームドラマ。
大学医学部助教授の松波亮輔は研究に没頭するあまり、家庭の事には疎い男。金銭的にも無頓着な彼はわずかな月給で書物を買い漁るので、妻ゆき子の苦労は並大抵のものではない。夜遅く研究室から帰ってくる夫を待ちながら内職のミシンを踏み、ひたすら夫の研究が完成するのを祈っているのだった。そんな一見平和な家庭に育った三人姉妹—長女で工場の栄養士・智恵子、タイピストの次女・都紀子、高校生の三女・久美子は、夫に従順すぎる母の態度に不満を抱く。