米軍基地の街を舞台に、軍に寄生するチンピラが目先の欲に駆られて自滅していく様を描く。戦後の日本人を風刺し、今村重喜劇のスタイルを確立したと言われる作品。キネマ旬報ベスト・テン第7位。
水兵相手のキャバレーが立ち並ぶ横須賀ドブ板通り。そこでモグリの売春ハウスを営む日森一家は、当局の取り締まりで根こそぎやられてしまい青息吐息。行き詰った彼らは基地の残飯を使って豚の大量飼育を考えつき、今までハウスの客引きをしていたチンピラ欣太も豚の世話をすることになる。ある日欣太は、日森一家の幹部で胃病持ちの鉄次に流れやくざ・春駒の死体の始末を頼まれ、死体を豚に食わせてしまう。その後、一家の連中が食卓に上がった豚料理を食べていると、肉から金歯が出てきて…。