闘牛興行を日本に招致することに夢を賭ける男と、婚約者がいながら彼に惹かれていく女…。スペイン、南欧に一大ロケを敢行した超大作。石原裕次郎と北原三枝の共演は、二人の結婚によりこれが最後となった。
マドリッドの闘牛場で冴子と江藤は北見の姿を見つけて驚いた。彼はとうとう闘牛を追ってスペインへやってきたのだ。冴子が初めて北見に出逢った時、やはりこの男は闘牛を追っていた。その日は冴子と江藤の婚約披露パーティの夜だった。財閥の親同士が決めたこの結婚に冴子は気が進まなかった。だからパーティを途中で抜け出し、スペイン料理店で闘牛の日本招へいに失敗した新聞社の事業部員・北見を目にし、冴子は惹かれるものを感じたのだった。冴子が歓声で我に返った時、北見の姿は闘牛場にはなかった…。