十六歳
じゅうろくさい

基地付近の農村で思春期を迎えた貧しい美少女の、愛に育ち愛に死ぬいばらの青春航路を感動豊かに描く珠玉篇

遠く秩父山脈がかすみ、中学校の屋根の上をスレスレに米軍用機が大きな爆音を残して飛んで行く……。玉川せん子は、この中学の三年生。近くの農家の娘で、父親の金造は納屋を改造し、ペンキを塗りたくってオンリーさんの美加代に貸し、貧しい生活の足しにしていた。せん子は少しばかり嘘つきで強情っぱりなところがあったが、バドミントン部のキャプテンをつとめ明るい少女だった。そんな性格が誰にでも好かれ、美加代は妹のように可愛がるし、バドミントン部の部長中根先生や本間先生も何くれとなく面倒を見てくれた。だから、彼女にはオンリーが良いの悪いのというよりは、ただ毎日が楽しく美加代の生活が派手な生活が何となくうらやましかった。ある日、美加代が箱根へドライブに連れて行ってやると言い出した。せん子は大喜びだったが、中根先生は、旦那のフィッシャーも一緒だと聞いていい顔をしなかった。彼はせん子を好きになっていたのだ…。

日本
製作:日活 配給:日活
1960
1960/10/1
96分/8巻/2612m/モノクロ/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】立川市(立川飛行場付近)