真珠養殖に絡む悪事を追って四国宇和島でマイトガイ・アキラが大活躍する、お馴染み流れ者シリーズ第三弾の活劇巨篇。
真珠の養殖で有名な四国・宇和島は、夏祭りの行事のひとつ闘牛試合の準備で賑わっていた。なかでも新興勢力である丸高真珠への借財がかさみ、乗っ取られる寸前の須賀真珠は、会社の運命を猛牛荒岩の優勝に賭けていた。そんな港町にギターひとつ抱えて流れついた野村浩次は、荒岩を狙う丸高真珠の連中を殴り倒し、須賀真珠の忠夫を助けると、借財の原因や、須賀真珠の跡取り息子・周一がキャバレー“パラダイス”の踊り子ハルミに熱を入れすぎて不慮の死をとげたことなど、丸高の連中の横暴さを聞いた。しかしこれは“パラダイス”の支配人・辻井の悪計だった。その後“パラダイス”のフロアでは、浩次と同じくこの港町についたばかりの政が、乱闘をおこしていた。そんなある日、周一が生きていることがわかり、周一の妹・清子が働く洋裁店は大変な騒ぎとなった。実は辻井のボス黒田は、清子を狙っていたのだ。これを知った浩次は、周一の謎と黒田一味の横暴を探ろうと“パラダイス”に入りびたった-。