一匹狼
いっぴきおおかみ

恋人のために暗黒街に良心を売った拳銃の名手が、ボスの奸計に激怒して遂に起つ、早射ちのスリル溢れるアクション巨篇。

運転手の昭二とドライブインの店員・和子が互いに惹かれるようになったのは、二人とも身よりのない孤児だったからだ。二人は愛し合い、周囲の人たちも若い二人を祝福し、昭二は少年鑑別所にいた暗い過去を忘れるほど幸福だった。しかし幸福な二人に、黒い魔手がのびてきた。その日、遊びに行った遊園地で和子が数人のチンピラにからかわれた。怒った昭二は得意の空手で、チンピラを倒してしまった。昭二が勤務先の佐田運送店に帰ると、仕返しにきた暴力団幹部が待っていた。だが偶然にも、そのヤクザは昭二の昔の弟分・鉄男だった。二人は奇遇に肩を抱き合って喜んだ。その夜、昭二は鉄男とバー“キャラバン”に行った。そこは暴力団の根城でマスターの戸倉がボスだった。鉄男から昭二が拳銃の名手であると聞いた戸倉は、用心棒になることをすすめたが、もう二度と泥沼に落ちたくない昭二は即座に断った。数日後、和子が戸倉一味に轢き逃げされた。幸い命に別条なかったが、重傷だった。事故を聞いた昭二は愕然とした。昭二は待田運送の社長・由造に入院費の前借を頼んだが、戸倉に脅迫されていた由造は拒んだ。それが、どうしても昭二を用心棒にしたい戸倉の仕組んだ罠だったのだ。昭二は戸倉の用心棒になることを決心した。“キャラバン”の地下室で昭二の早射ちを見た戸倉は、刑務所に入っている用心棒の英夫といい勝負だと感嘆した。ある日、昭二はキャラバンの踊り子で英夫の情婦ナオミから英夫が昔満州の瀋陽にいたと聞き、和子の兄も瀋陽にいたことからハッとした。兄妹はヒスイのイヤリングを片方ずつ持って別れ別れになったのだが…。
日本
製作:日活 配給:日活
1960
1960/8/29
モノクロ/86分/シネマスコープ・サイズ/7巻/2345m
日活
【神奈川県】小田原市/横浜市(横浜港)
【東京都】文京区(後楽園遊園地)/大田区(大森競艇場)