殺さぬ殺し屋と異名をとる早射ちの竜は、3年前に金沢市で人を射った。それから流れるように月日が経ち、刑務所を出た竜は再び金沢に帰ってきた。竜が自首して刑務所に入ったのは、堅気になって恋人のユリとまともな生活を送ろうと決心したからだった。金沢に戻った竜はユリが経営していたアクセサリー店にすぐに行ったが、ユリは一年前に事故で死んでいた。愕然とする竜に、ユリの妹・博子は、ユリの死は竜の責任だと責めた。竜が町に戻ったことを知った菅井刑事は、竜に町を去るよう勧告した。最近、浜田組と船場組の暗斗が続き、竜が巻き込まれると抗争が激化する恐れがあったからだ。その夜、竜に射たれて不具になった相原が、ピストルを持たない竜を襲った。その時、どこからともなく一人の男が現われ、竜にピストルを投げて助けた。その男は浜田組の用心棒でコルトの謙と呼ばれる殺し屋だった。コルトの謙は「お前といつか勝負をしたいから助けた」と、ニヤリと笑った―。
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