久しぶりにのんびり寝られると、佐藤源造と保郎の親子刑事が仲良く床につこうとしたある深夜、殺しの通報が入った。現場は向島にある日進製薬向島工場内だ。何者かが時価数百万円の薬品「ジュンマイシンV」を運び去り、守衛夫婦は無残にも射殺されていた。また、その夜の宿直員であった吉岡は後頭部を殴打されて意識不明の状態で倒れていた。あとは、守衛夫婦の一粒種・ヒロ坊が可哀そうに泣きじゃくっているだけだった。翌日、病院に入院した吉岡を尋ねた保郎は事情聴取に乗り出したが、工場で模範社員として通っている吉岡は全く心当たりがないと言うだけだった。一方、不慮の事故で痛ましくも孤児になったヒロ坊は、何を聞いても無言でいたが、家に帰ると駄々をこねて源造や保郎刑事を困らせた。結局、適当な引き取り手が現れるまで、古参の源造が面倒を見ることになった…。