小林旭の『渡り鳥』シリーズ第4弾。今回は会津磐梯山に流れ着いた風来坊・滝伸次が、牧場乗っ取りを企む一味を迎え撃つ。
会津磐梯山麓、五色沼のほとり。ギターを背に馬を駆ってきた滝伸次は、山道で怪我をした少年・越谷信夫を助けようとして自らも足を踏み外してしまう。するとそこにハジキの政という流れ者が現れ、伸次の馬を盗んで消えて行った。高原ホテルにいる父のもとに信夫を送って行った伸次は、道中、ハジキの政が湯元の小屋に放火した疑いをかけられ、猟銃を突き付けられているところに出くわす。伸次は投げ縄で政を救い、アリバイを明らかにしてやった。その夜、伸次がキャバレー・オハラに流しに入ると、階下では賭場荒らしで大騒ぎになっていた。そこには政がいて、伸次に勝負を挑んできた。伸次は政のイカサマを見事に見破り、政の拳銃を叩き落とすが、拳銃はあけみに向けられていた。政は東京で親分を裏切ったあけみを消すためにもう一人の殺し屋・ジミイとこの土地に来ていたのだった。ある日、会津若松駅に二宮牧場主・二宮靖子が降り立った。22歳の若さで牧場を経営する靖子は、今も東京での金策に失敗して帰ってきたのだった。牧場はキャバレー・レッドキャットの支配人・小芝がホテル建設のために買収しようとしていた。だが伸次は湧き出る温泉を見て、小芝のねらいが牧場ではなく温泉の元湯権にあると気付く。