俺は流れ星
おれはながれぼし
サックスの哀愁と早射ち稼業に生きる流れの一バンドマンを描く、日活得意の歌謡アクション。主題歌ビクターレコード

サックスの名手である健次はクラブ・トーキョータウンの専属バンドの一員だが、一方では社長・松原の用心棒として、得意のハジキで名を轟かせていた。しかし、もともとサックスを恋人と思っているほどの健次は、たび重なる松原の悪事の手助けに嫌気がさして、この辺で手を切ろうと考えていた。そんなある日の午後、飛び込んできたのは魅惑的なスタイルのミナと、恋人のサックス吹きの一郎だった。二人は将来を約束した仲だったが腕の悪い一郎には思うような働き口がなくバンドの口を探していた。早速、健次を始めクラブのバンドマンが一郎のサックスを聴いたが、飲まず食わずの一郎は演奏の途中でダウンしてしまう。ただ、ミナの妖艶な姿態はすぐに好色の松原の目に留まり、二人は雇われることになった。健次はその夜、これ限りで足を洗うと念を押して松原の仕事を引き受けるが、松原はこっそり腹心の神戸を呼び、健次が足を洗おうとしたら取引の帰りに消せと命じた。まもなく、健次が運転する車に神戸と松原の子分、そして仕事のことを何も知らされていない一郎の姿が見られたが、すべてを見透かしていた健次は途中で車を止めると、一郎を引きずりおろし、慌てる神戸を殴り倒すとクラブに取って返した。クラブではミナが松原の毒牙にかかるところだったが、そこへ健次が現れ松原にハジキを向けるやミナを奪い去り、一郎に逢わせると、健次は二人に遠くへ逃げるよう札束を握らせるのだった。それから1年、ある港町にサックス片手に流れ着いた健次の姿が見られた…。

日本
製作:日活 配給:日活
1960
1960/6/18
モノクロ/4巻/1412m/52分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】港区(東京タワー実景、東京港芝浦桟橋)/千代田区(日比谷濠端実景、東京駅丸ノ内口実景)