源氏鶏太のサラリーマン小説を映画化。石原裕次郎が型破りな新入社員に扮した痛快出世物語。
東洋物産株式会社の新入社員・大門大太は、社長が出張中なのをいいことに入社一日目に社長の椅子に座ってしまうような豪放な男。彼の言動に周囲は驚きあきれ、人事係長・尾山は放っておいたら自分の馘が危ないと新入社員のわが娘・沢子をスパイとしてつけることにした。だが同期入社の亀村兵治だけは、こいつこそ天下を取る男だと見込みをつけて彼の参謀役を買って出る。研修も終わり、大門、亀山、沢子の3人は鉄鋼課に配属された。課長の西野は大門が入社早々喧嘩したことのある意地の悪い男で、大門と亀山は他の仲間とは違って倉庫の整理を命ぜられてしまう。しかも3日間で何十年と放り出されていた書類を整理しろというのだ。課長の無理難題だと分かっていた。三人の配属歓迎会の席で西野に散々絡まれた大門はついに我慢の限界を超え、彼を投げ飛ばしてしまう。こうなっては天下を取るどころか馘になるかもしれない。大門と亀山が気落ちしてバーで飲んでいると、磯田重工業が25万円の国民車を造るという話を耳にする。