海を渡る波止場の風
うみをわたるはとばのかぜ

現金輸送機遭難事件の謎を追って、鹿児島は桜島に現れたマイトガイ旭が陰謀を粉砕する、お馴染み流れ者シリーズ第二弾。

奄美大島への復興資金五千万円を積んだセスナ機が、鹿児島上空で隊落した。しかし不思議なことに、飛行機の残骸からは五千万円も操縦士・野村光彦の死体も発見されなかった。当局は何ら手がかりを掴めず、世間は野村光彦の計画的犯行ではないかと噂した。光彦の潔白を信じる許婚者の塚越尚子は、商用で鹿児島に向う貿易会社社長の父・大作に頼み、一緒に鹿児島へやってきた。尚子は桜島の溶岩地帯で、やくざ者の奥山五郎に襲われた。金庫破りの名人である五郎は、刑務所時代に「鹿児島のキャバレー“エメラルド”に行けば一儲け出来る」と聞き、シャバに出るや鹿児島へやって来たのだった。このとき尚子は、野村浩次という流れ者に助けられたが、彼は光彦の兄で、弟の事件に疑惑を持ち鹿児島にやってきたのだった。 二人の疑惑は、墜落事件直後から急に羽ぶりがよくなったキャバレー「エメラルド」に向けられた。欲にからんだ五郎も五千万円の行方を探し始めたが、尚子は光彦の生死だけが知りたかった。その頃、「エメラルド」の地下の無線室には一人の麻薬患者が監禁されていた。蒼ざめた顔、どんより曇った眼…それは、変わり果てた光彦の姿だった-。

日本
製作:日活 配給:日活
1960
1960/5/28
カラー/78分/シネマスコープ・サイズ/7巻/2148m
日活
【鹿児島県】桜島溶岩地帯、岸壁、鹿児島湾、連絡船/鹿児島市(鹿児島港、鹿児島駅)/指宿市(指宿温泉、指宿観光ホテル(現在は指宿いわさきホテル?))