香港ルートの麻薬紛失事件を機に」、三年間仮面の生活を続けて来た脱獄囚たちが展開する凄惨な死闘を展開する異色アクションドラマ
土砂降りの雨の夜、刑務所から七人の男が脱獄を図った。通称“小僧”の小西を始め、どんな金庫もたやすく開ける”鍵種”、やくざの石井、贋札作りの田中、元銀行員の佐野、元バーテンの高山、かっぱらい専門の遠江の七人である。しかし、刑務所裏の不気味な底なし沼を無事渡って、石井の情婦・カネの待つ山小屋にたどり着いたのは、看守に足を撃たれて逃げ遅れた鍵種を除いた六人だった。鍵種と同じ老囚の佐野も看守に肩を撃たれたが、佐野が銀行から盗んだ三千万円が目当てで見捨てられずに済んだ。やがて一行は、石井の子分の大五郎が運転するトラックの荷に隠れて東京に潜入し、カネが用意した下町の二階家に落ち着くと、さっそく瀕死の佐野に金の在り場所を聞くが、貪欲の獣たちに冷たい目を向けていた。しかし、一人親身になって看病してくれる小西に在り場所を教えると佐野は息絶えた。翌日、小西は仲間と谷中墓地の墓の下から三千万円を掘り出すと、佐野の遺言通り金を分配して立ち去った。それから三年―。遠江は事故死したが、石井は名前を変えてカネと電器屋を、田中は印刷所、高山は情婦の広子とバーを開いていた。そんなある日、香港からの貨物船で一人の男が横浜港に降り立った。香港では泣く子も黙る殺し屋・関根こと小西が。香港のボスが送った麻薬のゆくえを探しに帰国したのだった。