林田質店は繁盛していたが、店の主人・万次郎は息子や娘たちのことで頭を痛めていた。次女の短大生・マチ子は、家財道具を自分の家へ質入れしてスケート場通い。次男の大学生・辰次はスピード狂。長女の文子はお花の稽古といいながら、お師匠さん相手に花札賭博。もっとも、子供たちに小遣いを渡さないばかりか、無駄な金は一銭だって出さないという万次郎のケチが原因でもある。そんな万次郎が、以前店で働いていた女・光江を囲っているというからビックリ。他の子供たちと違って良くできた長男・信一に嫁をもらい、ゆくゆくは光江と古着屋を開いて楽隠居したいと思っているのだ。ところが、その親孝行の信一が山登りに行って遭難してしまったから大変。ガッカリしたのは万次郎だけではない。信一から小遣いをもらっていた弟や妹たちにとってもショックだった。信一に全財産を譲ろうと思っていた万次郎は、文子、辰次、マチ子たちの中から心がけの良い者に全財産を譲ることに。それから子供たち三人の金儲け競争が始まった…。