打倒
のっくだうん
若き工学徒が暴力事件をきっかけにボクサーとなり、社会への不信と恋の激情をリングに叩きつける!熱血青年の愛と苦悩を鮮烈なタッチで描く本格ボクシング映画。
チャンピオン白坂の強烈な左フックと右アッパーをうけ挑戦者の大山がマットに沈んだとき、野中拳会長の野中の夢は崩れた。数日後、有望な新人がいるとスポーツライターの中原に誘われ京南大ボクシング部を訪れた野中は、高野昭の強烈なパンチと旺盛なファイトぶりをみて、この男にもう一度夢を賭けてみようと決心した。しかし亡父の遺志をつぎ、兄の雄介と電気工学の研究に貢献するという目標がある昭は、プロ入りの勧誘を断った。ある夜、雄介が愚連隊に襲われ、重傷を負った。加害者はすぐに自首したが、実は替玉で、真犯人は元ボクサーの石垣であることをつきとめた昭は石垣を倒し、兄の復讐を果たした。しかし、その暴力事件のため昭は無期停学になり、雄介も新しい設計は盗作だという同僚・天川の意見により会社をクビ同様にされた。野中はそんな兄弟の不運を慰め雄介の治療費まで出そうとしたが、警戒した昭は野中の申し出を強く固辞。野中も、潔く諦めた。ある夜、雄介傷害事件は、昭を経済的窮地に追い込みボクサーへ勧誘しようと中原が企てたことだと知った野中は、激怒。たまたま二人の話をきいた昭は愕然としたが、野中の潔白と情熱を知り、プロ・ボクサーになる決心をした-。
日本 製作:日活
日活
1960
1960/3/20
カラー/82分/シネマスコープ・サイズ/7巻/2243m
日活
【東京都】文京区(後楽園ジム)/千代田区(東京地検)/港区(神宮外苑)/東大和市(村山貯水池=多摩湖)
【神奈川県】葉山町(大浜海岸)
※赤木のボクシング指導担当はバンタム級元チャンピオンの阿部幸四郎(本作製作当時はレフェリー)とフェザー級元チャンピオンの金子繁冶。阿部は『勝利と敗北』(井上梅次監督の大映第一回作品)で本郷功次郎らも指導している。
※赤木の対戦相手・白坂役で笹崎拳闘クラブの茂野貞夫が特別出演。
※米映画『チャンピオン』(1949)の日本版を目指したという。