海から来た流れ者
うみからきたながれもの

小林旭が放浪のヒーローに扮した『流れ者』シリーズ第1弾。『渡り鳥』シリーズと同時期に平行して作られ、キャスト(ヒロイン=浅丘ルリ子、ライバル役=宍戸錠)やストーリー・パターンも同じという作品。

伊豆大島にフラリとやってきた野村浩次と名乗る流れ者。彼は連絡船の中で三浦修という青年と出会う。修はこの島で温泉を掘っている藤徳組の若手社員で、東京に機械を買い付けに行った帰りだった。ところがその工事場は神戸一味の手によって破壊されていた。数年前に東京からやってきた神戸は島のゴロツキどもを集めて勢力を得、次第に藤徳を圧迫し、島から追い出そうと企んでいるのだった。そんな折、藤徳の娘・礼子が神戸の乾分たちに襲われるという事件が起きる。玲子はどこからか現れた浩次に助けられるが、その一部始終を聞いた修は憤激のあまり神戸の経営するキャバレー・赤い炎に単身殴り込んでいった。しかし逆に半殺しの目にあうところをまたもや浩次に救われるのだった。礼子は東京の実業家・津久田に工場資金の融資を懇請した。融資を承諾した津久田からまもなく金が送られてきたが、神戸の用心棒・前岡に「神戸から借金していたな。もらっていくぜ」とその金を強奪されてしまう。その夜、浩次は赤い炎に乗り込み「返してもらおうぜ、利子をつけてな」と言って前岡と勝負する。前岡が屈しかけた時、それを見ていた神戸は前岡をお払い箱にし、浩次に「ここの用心棒にならねえか」と誘い、不思議なことに浩次もそれを承諾するのだった。

日本
製作:日活 配給:日活
1960
1960/2/28
カラー/84分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2291m
日活
【東京都】大島町(伊豆大島、三原山) 
【神奈川県】横浜市(横浜港、東海汽船、横浜埠頭)