拳銃無頼帖 抜き射ちの竜
けんじゅうぶらいちょうぬきうちのりゅう

日活第三の男・赤木圭一郎の”拳銃無頼帖”シリーズ記念すべき第一作。抜き射ちの名手・赤木圭一郎が男の意地と恋を賭けて暴れまくり、射ちまくる痛快アクション篇。

深夜の舗道を対峙する二つの影。どちらが射ったのが早かったか、ひとりの男の影がアスファルトに倒れ、物影に隠れて狙っていた男がのけぞって倒れたのは一瞬の出来事だった。それから一月後、銀座の裏通りにある病院から、一人の麻薬患者が退院した。男の名は剣崎竜二。抜く手も見せぬ早業で必ず相手の肩を射抜く、殺さぬ“殺し屋”として怖れられていた“抜き射ちの竜”だ。その竜二が姿を消したのは、宮地組組長の宮地と幹部の三田が、ともに仲良く右肩を射抜かれた夜からだった。二人を射ったあと禁断症状で気を失った竜二は、病院へ担ぎ込まれた。助けた男は、これも早射ちの、必ず心臓を射抜くことで名高い“コルトの銀”だった。足を洗うキッカケに宮地を射った竜二だったが、入院費を出してくれた楊三元という男への義理で用心棒になった。楊は麻薬密輸団の大ボスで、売り捌きは堀田組の手を通してやっていたが、最近当局が手を廻しはじめたという情報が入ったため、堀田組と手を切ろうと決心した。堀田組の反撃に備え、楊は“コルトの銀”と“抜き射ちの竜”を仲間にひき入れたのだ。楊は銀と竜二に女を与え、札ビラを切った。竜二は洋装店のマダム・房江のアパートに出掛けたその夜、そこで思いがけない男を見て愕然とした。男は、竜二が探していた三島圭吉だった。圭吉は元プロボクサーで、竜二のただ一人の弟分であり、竜二が得られなかったチャンピオン・ベルトへの夢を託した男でもあった。しかし圭吉は、廃人同様の麻薬患者になっていたのだ…。

日本
製作:日活 配給:日活
1960
1960/2/14
カラー/86分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2341m

【日活100周年邦画クラシックス】拳銃無頼帖コンプリートDVD-BOX にも収録されています。

日活
【東京都】中央区(銀座)/港区(芝浦第三号岸壁)/江東区(豊洲埠頭=竜二とみどりのラブシーン)
※野口監督談「これは日本版『ヴェラクルス』(1955)だ」。