飢えた牙
うえたきば

密輸団に父を奪われた兄弟が、兄は密輸の運び屋、弟は税関吏となって夜霧の波止場を血に染める宿命の対決を描く活劇篇。

横浜税関に転勤した笹川四郎は喜びに胸をはずませ、懐しそうに兄の三郎に話しかけたが、三郎は何故か曖昧な態度をとるのだった。兄弟の父親は横浜の税関吏だったが、密輸団の仲間と疑われ自殺した。しかし兄弟は父は何者かに殺されたと信じ、復讐を誓っていた。二人は亡き父の上司・桑島の世話を受けて暮らし、四郎はやがて税関吏になって神戸で勤務していた。だが横浜にとどまっていた三郎は、いつしか密輸団の一味になりさがっていたのだ。四郎と再会した日も、三郎は乾分の松三を連れて密輸時計の取引に出掛けたが、帰りぎわ警戒網にひっかかった松三がトラックにはね飛ばされて死んだ。離れて行動していた三郎は無事だったが、沖津商事の社長・沖津は激しく叱噴した。その夜、沖津が失敗を知らせた相手は、兄弟の恩人である桑島だった。彼の正体は密輸団の黒幕だったのだ。四郎を神戸から横浜へ転勤させたのも、四郎を利用しようとする桑島の策謀だった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1960
1960/2/10
モノクロ/4巻/1282m/47分/シネマスコープ・サイズ
日活
【神奈川県】横浜市(伊勢佐木町、横浜港、赤レンガ倉庫)